矯正治療の流れ 

矯正治療は混合歯列期(子供の歯がある状態)から始める第1期治療と、永久歯列期(大人の歯が生えそろった状態)から始める第2期治療があります。
どちらから治療開始するか、初診時に口腔内を診て決めていきます。
以下は、第1期治療、第2期治療から始める場合の流れです。

混合歯列期(子供の歯がある状態)から始める場合

①初診
②検査
③診断
④第1期治療の矯正装置の装着
⑤装置の調整
⑥歯の交換と成長の経過観察
⑦再診断
⑧第2期治療の矯正装置の装着
⑨装置の調整
⑩矯正装置の除去と保定

永久歯列期(大人の歯が生えそろった状態、おおよそ12歳くらいから)から始める場合

①初診
②検査
③診断
④第2期治療の矯正装置の装着
⑤装置の調整
⑥矯正装置の除去と保定

矯正治療の流れの詳細

ここでは、治療の各ステップで行う具体的な内容を説明します。

初診(初めてのご相談)

1.カウンセリング
まずはじめに、歯並びや噛み合わせに対するご希望やご懸念、生活習慣、健康状態などを詳しくお伺いします。これにより、最適な治療計画を立てるための基礎情報を得ることができます。

2.口腔内検査
口腔内を詳しく検査し、歯並びや噛み合わせの現状を確認します。必要に応じて、レントゲン撮影を行うこともあります。

3.治療方針の説明と相談
現時点で可能性の高い治療法を説明します。治療にかかる期間や費用などを明確にし、患者様が自身の状況を理解しやすいように心掛けます。

患者様が安心して矯正治療を受けられるよう、十分な時間を確保しております。
何かご不明な点があれば遠慮なくお申し付けください。

検査

診断・治療のために必要な資料をとります。

1.レントゲンの撮影
歯の骨格や根の状態、歯の発育状況を把握するために、パノラマレントゲンやセファロレントゲンを撮影します。これらは治療計画の作成や進行状況の追跡に不可欠な情報を提供します。

2.歯列の型取り
歯列の型取りは、歯並びを正確に記録するために行います。これにより、治療前後の状態を比較したり、個別の矯正装置を作成したりすることができます。

3.口腔内写真の撮影
口腔内だけでなく、顔全体の写真も撮影します。これにより、治療による全体的な変化を記録し、治療の進行を評価することができます。

4.ブラッシング指導
歯垢の染め出しをして、装置が付いても歯磨きができるよう、正しい歯磨き方法を指導します。  

5.その他
必要であればCT撮影や歯周病の検査を追加することがあります。

診断

1.現在の問題点の説明
初診時と検査時に得た情報を総合的に評価し、現在の問題点を説明します。これには検査の結果、レントゲン画像、歯列の型取り、写真撮影の結果などが含まれ、歯並び、噛み合わせの問題、顎の関係など、患者様の口腔内の現状を詳細に説明します。

2.治療方法の説明と選択
矯正治療に関する具体的な治療法を説明します。治療法がいくつか考えられる場合(抜歯するプランと抜歯しないプランなど)、それぞれの治療法のメリット、デメリットを説明した上で治療法を選択してもらいます。

3.費用やリスク等の説明
治療にかかる期間や費用、リスクなどを明確にし、患者様が治療について十分に理解できるよう努めます。

矯正装置の装着

1.矯正装置の装着
矯正装置を歯に装着します。装置の種類により異なりますが、2~3回の来院に分けて装着していきます。

2.装置の説明と使用方法の指導
装置の装着後、患者様が装置の管理やケア、装置に慣れるための方法について理解できるように説明します。また、食事や歯磨きの方法、痛みや不快感を感じた場合の対処法などについても指導します。

装置の調整

原則として月1回来院していただき、歯や顎に適切な力がかかるように装置を調整して治療を進めていきます。

装置の除去と保定

矯正治療のブラケット撤去と保定開始時は、一つの大きな節目となります。治療の成果を保つために重要なステップです。

1.ブラケットの撤去
矯正治療が完了したため、ブラケットとワイヤーを慎重に取り外します。

2.口腔内のクリーニング
ブラケットが取り外された後、歯を丁寧にクリーニングします。これにより、ブラケットにより隠れていた部分も含めて、口腔全体を清潔に保つことができます。

3.保定装置の装着
保定装置(リテーナー)を装着します。これは新しい歯並びが定着するのを助け、再度歯が動くのを防ぐための重要な装置です。

4.保定装置の管理とケアの指導
保定装置が適切に機能し、長持ちするように、装置の管理とケア方法を患者様に説明します。また、定期的なフォローアップの予定についても説明します。

矯正治療中の歯磨きについて

矯正治療中は、従来の歯磨き以上に口腔衛生に注意を払うことが重要です。
矯正治療中は、ブラシが届きにくい場所に食べ物やプラークが溜まりやすいため、適切な歯磨きを継続するよう心がけましょう。
当院では、装置が付く前からカラーテスター(染め出し)をして、正しく汚れを落とせるように指導していきます。
普通の歯ブラシから、矯正用歯ブラシなど、それぞれの患者様に合った歯ブラシを提案してお話しています。

患者さんがリラックスし、安心して治療が受けられるようスタッフ一同努力いたします。
そして、患者さんの笑顔が得られるような診療をめざします。